この記事では、財務の透明化に役立つ収支報告書の基本構造、作成手順、および無料のテンプレートを初心者にも分かりやすく解説します。
収支報告書の基本
収支報告書は、自分で定めた特定の期間における財務の流れを記録する文書です。これにより、収入と支出の透明性が保たれ、組織の財政状況が明らかになります。
会計報告書との違い
収支報告書と会計報告書は似ていますが、少し意味合いが異なります。違いについては以下を参照してください。
- 収支報告書:特定のイベントやプロジェクトの収入と支出のみを記録する。
- 会計報告書:収支報告書より包括的で、企業の資産、負債、資本なども含まれる。
決算書との違い
また、会社の決算書とも以下のような違いがあります。
- 収支報告書:通常、内部管理用に作成され、特定のグループや組織内で使用される。
- 決算書:会社の全体的な経営状況を示し、株主や金融機関など外部の関係者に提供される。
収支報告書、会計報告書、決算書はそれぞれ異なる目的と項目を持ち、組織の財務透明性と責任を支えます。
収支報告書テンプレート
一般的な収支報告書
収入と支出の総額と差引残高を上部に表示した一般的な収支報告書のExcelテンプレートです。収入や支出の項目には、何も記載していないので業界別に項目を設定すればどのような業界や用途にも使用できます。
個人の家計簿的な収支報告書
個人の家庭で使用することができる家計簿的な収支報告書テンプレートです。月ごとの収支を一覧で見ることができるので、月ごとの移り変わりがわかるようになっています。
NPOやボランティア団体の収支報告書
NPOやボランティア団体などで使用できる収支報告書のテンプレートです。全体的なレイアウト自体は、一般的な収支報告書と変わりありませんが、項目をNPOや団体などでよく使われるものにしてあります。
イベントごとの収支報告書
一般的なイベントなどで使われる収支報告書のテンプレートです。イベント名や開催日時、会場名を記載し、収入と支出の詳細を記載していきます。
収支報告書の作成
収支報告書を作成する際は、正確かつ明確に財務状況を伝えるために、項目を適切に記載することが重要です。
必須項目とその詳細
収支報告書には以下の項目が必要です。
集計期間
収支報告を行う財務の期間を指定します。
例:2023年4月1日から2023年9月30日
収入の内訳
期間内の全収入(例:商品売上、寄付金、助成金)とその金額。
例:
商品売上:¥500,000
寄付金:¥150,000
助成金:¥300,000
支出の内訳
期間内の全支出(例:材料費、人件費、運営費)とその金額。
例:
材料費:¥200,000
人件費:¥250,000
運営費:¥100,000
差引収支
収入合計から支出合計を引いた金額。
例:差引収支:¥400,000(収入合計¥950,000 – 支出合計¥550,000)
補助項目とその役割
補助項目は、収支報告書の詳細をさらに細分化し、透明性を高めるために用いられます。
備考
特定の収入や支出に関する追加情報や説明。
承認欄
報告書がレビューおよび承認されたことを示します。
作成者名
報告書を作成した個人または団体の名前。
収支報告書のカスタマイズ
異なる状況での収支報告書の適用
収支報告書は様々な業界や業種、規模、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズされます。
非営利団体
助成金、寄付金、イベント収入などが主な収入源。支出はプロジェクト費用や運営経費に重点を置く。
小規模企業
商品売上やサービス提供による収入と、原材料費や人件費などの支出を記録。
個人事業主
個々の仕事や作業の収入と、事業運営に関連する直接的な支出を記載。
収支報告書のカスタマイズ方法
収支報告書は、特定の要件や目的に合わせてカスタマイズすることが可能です。
- テンプレートの調整:Excelなどのソフトを使用して、行や列を追加・削除、特定の項目を強調。
- 視覚的要素の追加:グラフやチャートを使用して、収入と支出の動向を視覚的に表現。
- 自動計算の導入:Excelの数式機能を活用して、収入と支出の合計や差引収支を自動計算。
- カテゴリのカスタマイズ:組織や活動特有の収入や支出カテゴリを追加して、より詳細な情報を提供。