退職や異動などの際に、引き継ぎをスムーズに行うためには、引き継ぎ書を作成しなくてはなりません。この記事では、引き継ぎ書の作成方法からテンプレートの活用法まで、引き継ぎ書作成のポイントを解説します。
引き継ぎ書とは
引き継ぎ書は、担当者が交代する際に、業務の内容ややり方、進捗状況、顧客情報などを次の担当者に引き継ぐための文書です。担当者の異動や退職に備えて作成し、担当業務の引き継ぎ漏れを防ぐ役割があります。
引き継ぎ書のメリット
- 担当者が交代しても業務が停滞しない
- 担当者に依存しない業務運営ができる
- 業務の全体像を把握しやすい
- 文書を見ることで同じ説明を繰り返さなくて済む
引き継ぎ書の注意点
引き継ぎ書を作成する場合には、以下の点に注意する必要があります。
- 重要な情報漏れがないか確認する
- 個人情報や機密情報の取り扱いに注意する
- 情報が古くならないように定期的に更新する
- 読み手にわかりやすく明確な文章を心がける
引き継ぎ書の構成
引き継ぎ書には、担当業務の内容を網羅的に記載する必要があります。ここでは、引き継ぎ書に盛り込むべき主な項目を見ていきます。
基本情報
- 担当者の氏名、所属部署
- 担当期間
- 直前の担当者
など、担当業務の基本的な情報を記載します。
業務内容
- 日常的な業務の内容
- 業務上の役割
- 権限や責任範囲
など、担当業務の具体的な内容を記載します。
顧客情報
- 顧客の氏名や会社名
- 顧客との関係性
- 顧客の要望や特性
など、顧客に関する情報を記載します。
進行中の案件
- 案件の内容と期限
- 現在の進捗状況
- 次の見込み
など、進行中および近日中の案件について記載します。
その他
- 伝達事項
- 留意点
- 添付資料
など、その他の引継ぎが必要な重要な情報を記載します。
引き継ぎ書の作成手順
引き継ぎ書の作成手順は以下のような流れで行います。
- 引き継ぐべき情報を漏れなく洗い出す
- 必要な資料を事前に揃える
- 業務内容に合ったテンプレートを選ぶ
- 必要に応じてカスタマイズする
- 洗い出した情報をテンプレートに記入
- 重要項目が記載漏れないよう注意する
- 記載内容に漏れがないか最終確認
- 第三者にも確認してもらう
引き継ぎ書のテンプレート集
プロジェクト引き継ぎ書
プロジェクトを別の担当者に引き継ぐ際に利用されるプロジェクト引き継ぎ書テンプレートです。プロジェクト名、期間、目的、使用技術などの基本的な項目から、業務の細かなやり方、注意事項などを記載する欄があります。
営業引き継ぎ書
営業担当者の業務を引き継ぐためのテンプレートです。現在の営業状況を、売上、契約、立案中の事案から、提供するサービス、コンタクトリスト、注意事項なども記載していきます。
製造業向け引き継ぎ書
主に製造業で使用できる引き継ぎ書テンプレートです。担当している製品名、製品コードから、製造する機械設備、設置場所、材料、操作手順などを記載し引継ぎを行います。
サービス業向け引き継ぎ書
サービス業で引継ぎをする場合に使用できる引き継ぎ書テンプレートです。引継ぎの場合だけでなく、新しい人に業務を教える場合などにも使用できます。