企業の収益と費用を一覧にした書類が損益計算書です。この記事では、損益計算書の基本的な概念から具体的な見方、経営戦略への活用方法までをわかりやすく解説します。
損益計算書とは?
損益計算書とは、収益と費用の損益を一覧にして企業の財務状況を明らかにする書類です。以下では損益計算書の基本的な概念について解説します。
損益計算書は、バランスシートやキャッシュフロー計算書と並ぶ、企業の財務状況を分析するための3大財務諸表の一つです。これらの情報を組み合わせることで、企業の健全性や成長性を評価することができます。
損益計算書(P/L)の基本概念
損益計算書(Profit and Loss Statement)は、特定の期間における企業の収益と費用の流れを示す文書です。
会社の収益と費用の損益計算
- 収益: 商品やサービスの提供によって得られる金額
- 費用: 商品の製造やサービスの提供にかかるコスト
- 損益: 収益から費用を引いた金額で、企業の利益または損失
損益計算書テンプレート
以下では2種類の損益計算書のエクセルテンプレートを紹介します。
勘定式の損益計算書
エクセル版の勘定式損益計算書テンプレートです。左側に科目が収益や損益ごとに細分化しています。実際の金額を入力して損益計算書を完成させることができます。
毎月の損益計算書
月ごとの損益を集計できる損益計算書テンプレートです。関数で自動的にそれぞれの科目の合計を算出してくれます。
損益計算書の見方
損益計算書に書かれた内容を理解するためには、以下の5つの主要な項目を把握することが重要です。これらの利益は、企業の収益性と業績を評価する上で重要な役割を果たします。
売上総利益
売上総利益は、売上から販売管理費を引いたものです。具体的には以下のように計算されます。
- 売上総利益 = 売上 – 売上原価
営業利益
営業利益は、売上総利益から一般管理費や販売費などの営業外費用を引いたものです。
- 営業利益 = 売上総利益 – 営業費用
経常利益
経常利益は、営業利益に営業外収益と営業外費用を加えたものです。経常業務から得られる純利益を示します。
- 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用
税引前当期純利益
税引前当期純利益は、経常利益から特別損益を引いたものです。税金を支払う前の純利益を示します。
- 税引前当期純利益 = 経常利益 – 特別損益
当期純利益(純利益)
当期純利益は、税引前当期純利益から法人税等を引いたもので、企業がその期間に実際に得た純利益を示します。
- 当期純利益 = 税引前当期純利益 – 法人税等
損益計算書の読み解き方
損益計算書の内容を分析するには、以下の利益率の計算と用語の理解が不可欠です。これらの指標は、企業の収益性と効率性を評価する上で重要な役割を果たします。
利益率・粗利率
- 利益率: 売上に対する利益の割合。企業の収益性を測る指標。
- 粗利率: 売上に対する売上総利益の割合。商品の価格設定やコスト管理の効率を反映。
売上高総利益率(粗利率)の算出
売上高総利益率は、売上に対する売上総利益の割合を示します。
- 売上高総利益率 = (売上総利益 / 売上) × 100
売上高営業利益率の計算
売上高営業利益率は、売上に対する営業利益の割合を示し、企業の基本的な収益力を反映します。
- 売上高営業利益率 = (営業利益 / 売上) × 100
売上高経常利益率の分析
売上高経常利益率は、売上に対する経常利益の割合を示し、企業の経常的な収益力を測る指標になります。
- 売上高経常利益率 = (経常利益 / 売上) × 100
これらの指標を用いることで、企業の収益性やコスト効率、業務効率などを分析することができます。損益計算書の読み方を知っておくことは、企業分析や経営判断において非常に大切です。